2020/11/27 19:32
by シュウ(G.T.D.Records/Balladmen)
2020年11月に新しいシングル"New Roman"をリリースしたばかりの東京ネオ・シティ・ロッカーズ、FLASHLIGHTS。今回はそのボーカリストでありメインマンでもあるレオ・ヨコミゾ氏にインタビューを行った。
通販のレビューにも書いたが、今回も徹底的に"夜"で"ロマンチック"なFLASHLIGHTSの世界を堪能できる作品となっている。
このインタビューではそんな彼らの世界を形作るレオ氏の音楽や詞のバックグラウンド、他のメンバーについて、また、彼らの活動を追う上で必ず登場する"NEO CITY"について話していただいた。
これを読んでくれた人達の一人でもFLASHLIGHTSやNEO CITY、またはインタビュー後半に登場するレオ・ヨコミゾ氏お薦め居酒屋に興味を持っていただければと思う。
そして願わくば、彼らの暮らす"NEO CITY"に一歩足を踏み入れていただければと思いますm(_ _)m

シュウ:ニューシングル"New Roman"の発売おめでとうございます。さっそく聴かせてもらっていますが、今回もレオさん節炸裂な2曲が最高でした。
今回のリリースに至る経緯とかあれば教えてもらえますか?ひろしくん(FLASHLIGHTSのギタリスト)からは「突然レコーディングが始まった」とか聞いてますけど。
レオ:ありがとうございます!コロナ禍で土日のライブがなくなったので曲作ろうと思ってすぐ出来たのが”New Roman”でその少し前に出来てた”Starlight”とシングルになるなと思って。あとちょうどインスタで貴子さん(杉山貴子さん:FLASHLIGHTSの今回のシングルのカヴァーイラストを手がけた東京在住のイラストレーター)のイラストを見て頭の中でジャケットまで出来てスタジオ入って固める、そしてレコーディングという感じです。なので自分的には突然ではなかったです。動きを止めてはいけないという想いはあったかもですね。
シュウ:それは共感ですね。コロナ禍も音楽を作る機会としては悪くなかったのかも。
これは個人的な感想なのですが、前回の2ndアルバムの"Highway"を聴いたとき「何かいつもと違うぞ」と思いました。今回の"Starlight"もよく似た印象です。曲を書くときは変化を持たせるとか意識されたりしてます?
レオ:自分は今の状況でもその前でも時間的な事はちがっても日常的に曲をたくさん作っていて"Highway"も"Starlight"も元々自分の中には要素としてあって、その中からFLASHLIGHTSにただ合うと思うものを選んでるだけですね。
今これが必要とかバランスは選ぶ時に自然と考えてるかもですが。
シュウ:FLASLIGHTSといえば「夜」とか「君」とか、新しい曲を聴くたびそれらのワードを探してしまいます。それが僕の思うFLASHLIGHTSの世界観でして、音楽と相まって深夜の高速道路で聴きたくなります。
そのバンドのコンセプト的なものって、何かからの影響だったりするんですか?

レオ:深夜の高速道路でとか夜のドライブに合うとかよく言われてそれはとても嬉しいです(笑)。夜や街のキラキラやギラギラは特別なものです。
夜に若者の文化は作られるという言葉は好きで脳に刻みこまれてると思います。光と影はひとつのテーマであるし誘惑や夜の孤独と切なさとその刹那と永遠とか。色々と色んなものからの影響はあるし映画や本や音楽や街や人から感じる事などあるしそれで自分が作られて…よくわからないですね( 笑)酒がつくる空気とか(笑)。
俺達は俺達でしかないというありかたも大切にしています。
シュウ:その音楽や映画や本とか、例えばどんなものですか?詞にもルー・リードとかアンディ(ウォーホル)とか登場しますがやはりその辺りの?
レオ:ルー・リードは1番好きな作曲家ですしウォーホルの作品やファクトリーは憧れです。Velvet Undergroundは全部好きでその系譜で音楽を聴いてThe FeeliesやThe Only Ones、The Pastelsは自分の中では同じ線上にありとても好きです。(ブライアン)イーノにもかなり影響受けてると思います。
映画はエリック・ロメールやデレク・ジャーマンのものや、ちなみに”Shadows"はジョン・カサヴェテスからで、大好きな「真夜中のカーボーイ」から”Midnight Carboy”とタイトル付けたり、小津安二郎や黒澤明や大島渚とかもう色々ですね。雷蔵映画とか市川崑とかもよく観ます。昔の映画が主ですが。
あと、FLASHLIGHTSのバンド名はアルフレッド・ヒッチコックの「裏窓」のセリフからなんです。クライマックスでカメラのフラッシュを使って難を逃れるシーンのセリフです。ヒッチコックは凄く好きです。
本は日本の時代小説あと水滸伝や三國志関連とか作るものへの影響はわかりませんが…。
写真家のベルナール・フォコンの世界観にも影響受けてます。
色々なものが栄養分ですね。
それらで美意識、思想、哲学が出来て音と言葉を選んでいる感じです。
あとは本当にメンバーようこちゃん、ヒロシ君、タムラさんが居ることが全てです。本当に。
シュウ:おー、僕も好きな名前がたくさん出てきました。というか1stアルバムの"Shadows″は映画「アメリカの影」だったんですね!こういうのがめちゃ楽しいです。
その今回挙げられたものからの影響って、特に音楽についてですがFLASHLIGHTS以前からのものなんですか?レオさんが以前やってたCapsule Giantsの音源等聴いてみました。'90sインディポップて言うんでしょうか、PavementとかApples in Stereo、Lilysとかレオさんも好きと仰ってましたが、そこら辺の音に近いと感じました。全然違うわけじゃないけどFLASHLIGHTSはもっと毒というか、影のある音楽かなって思ってます。もちろんメンバーが違うのは大きいのでしょうが。
レオ:メンバーが違うのは当然あるでしょうね。
あと前は時代と向き合って作るとか考えてましたね。最先端とリンクするような。けどある時からそんなのどうでもよくなってただ良いものを作りたいと…まだまだ勉強中ですね。
いつも真剣に向き合わないと足元すくわれますからね。今のところの知恵を振り絞らないとダメですし、集中しないとすぐに良くなくなるし、とても曲作りは難しくきりがないです。
やっと少しだけやり方がわかるようになった気がしますが、それも危うく…歩みも遅いもので…。
影響に関していうと10代に受けたものを土台に積みかさなってる感じです。ようこちゃんの影響も互いにでしょうがたくさんあると思います。
闇と孤独とロマンチシズムは昔からのテーマです。
シュウ:ようこさん(FLASHLIGHTSボーカル・ベース)からの影響ってどんな感じですか?また、ひろしくんや田村さん(ドラム)からの影響、っていうか刺激を受け合っている関係かと思いますが、メンバーそれぞれのキャラクターも含め、話してもらっていいですか?

レオ:ようこちゃんは僕のミューズです(笑)
色んなことをいつも語り合ってます。ようこちゃんのソロワークが本当に素晴らしく感銘を受けました。いつかNeo City Records(FLASHLIGHTSの自主レーベル)からリリースしたいと思ってます。
(2ndアルバムの)"Sad Dream"で歌詞を書いてもらいましたが凄く良いので負けてられないとか思います。
シュウ:ソロワーク!それは気になります。"Sad Dream"も最高ですね。大好きです。
レオ:まず曲を作ったらようこちゃんに聴いてもらいます。そしてスタジオで、もしくはデモで他のメンバーに聴いてもらい信頼するメンバーがOKならもうそれで大丈夫だと思います。
ヒロシ君は本当に音楽に詳しくよく曲を理解してくれます。そして時に鋭い意見をくれます。今回のシングルも 7インチシングルらしく雑な感じで と意見をくれたので参考にしてざっくりしたミックスにしました。
タムラさんは20年以上前からの仲間で僕のやりたいことをすぐにわかってくれます。現行のインディーポップにとても詳しいので教えてもらったりします。ヒロシ君にも色々良い音楽を教えてもらってます。あとようこちゃん以外は凄く酒飲みなのでメンバーで酒ツアーとかやります。地方に行っても酒を飲むことばかり考えてますね(笑)。
メンバーみんなのかっこいい演奏を想像しながら曲を作ったりもしますしね。
シュウ:理想的な関係ですね。
レオ:本当にFLASHLIGHTSは最高だなと自分でよく思ったりします(笑)。
シュウ:そう、それはライブを観ていても伝わりますね。誰が欠けてもいけないって感じがします。そういうバンドって貴重だと思います。特にこの東京では。うらやましい限りです。
で、先程Neo City Recordsの名前がちらりと出ましたが、同じ名前でライブを企画していたりDJパーティがあったりと、FLASHLIGHTSの活動を追う上で必ず登場するのが"NEO CITY"という単語なのですが、これはどういう意味なんです?由来とか。
レオ:NEO CITYですね。
自分は福岡時代からクラブでDJ したりしててロックを大音量でかけて踊る文化が好きだったんです。なのでその感じを取り戻したくなりようこちゃんとヒロシ君を誘ってDJ イベントをやろうかと思ったんです。でパーティーの名前を考えてようこちゃんか自分か忘れましたがNEO CITYと名付けてそのイメージを膨らませました。架空の未来都市、ロマンチシズム溢れる夜の宴。そのイメージでフライヤーを作り毎回新聞みたいなものも作りました。FLASHLIGHTSが始まる前の話しですね。それがその後曲のタイトルにもなりそのうちライブイベントにもなりレーベルの名前にもなりました。
そのキラキラしたギラギラした街のイメージは僕の頭の中、想像の中でFLASHLIGHTSの歌詞の舞台になっているかもですね。
シュウ:あー、なるほど!FLASHLIGHTSの歌の舞台。その架空の都市に現れたバンド、その名もFLASHLIGHTSってわけですね!デビッド・ボウイのジギー・スターダストみたいで超かっこいいです。世界観が統一されてて…憎いほどの演出、ロマンティックですね。
そのNEO CITY、今週末11月28日も幡ヶ谷のClub Heavy Sickにて開催されますよね。今回のシングルのレコ発企画ということで私も楽しみにしております。
因みにNEO CITYに出演するバンドなんかもその都市の雰囲気に合わせたキャスティングだったりするんです?
レオ:もちろんイベントのイメージは考えます。あと組み合わせのバランスとか色々と。
あとは出来るだけ出演者にお礼が出来るように頑張る。そして来てくれた方が少しでも非日常を感じてくれたら嬉しいですね。本当に。日常は楽しい事ばかりではないですから。NEO CITYの住人として。
シュウ:なるほど、NEO CITYはおもてなしもばっちりなわけですね。今週末が更に楽しみになりました。

ではでは、NEO CITYの話はこれくらいにして、レオさんが最近聴いてるお気に入りの音楽、FLASHLIGHTSのことが好きな人達に聴かせたい音楽とかあれば教えてもらえますか?
レオ:最近はPoliceをよく聴いてますね。あとはBananaramaとか。先日行った中津川Big Door(ライブハウス)のコダマ商店で手に入れたエディ・コクランを聴いてます。
マニアックでもない自分がおすすめとかおこがましいの覚悟で言いますと。
FLASHLIGHTSを聴くような奇特な親愛なるみなさんはとっくに聴いてるかもですがThe Feelies、The Pastels、Heavenly、Tiger Trapは外せないですね。Tiger Trapのローズは本当にメロディの魔法使いでその後のバンドもどれも素晴らしくKnife Pleatsも最高です。
最近のだとAlvvaysが特に気に入ってます。
あと90年代インディーポップの話しも出てたので言うとRocketshipは思い入れが強いバンドです。最新作も最高で凄く刺激を受けました。
Poundsignも今でもよく聴いてます。
シュウ:ありがとうございます。僕も知らないのが色々なので聴いてみたいと思います。
では、最後に今後の予定などあれば教えて下さい。あ、そう言えば「レオさんにインタビューするならお薦めの居酒屋を聞けばいい」と誰かが言ってましたね。そちらもお願いします(笑)。
レオ:12月30日に今年最後のNEO CITYを幡ヶ谷ヘビーシックでやります。あとは来年もいくつかリリースしたいですね。
おすすめ居酒屋?(笑)
安くて旨い店、雰囲気が良い店が好きですね。なんぱち(下北沢)にはよく行きますね。あと刺身食べるなら浜屋(幡ヶ谷)。 あとは高円寺のてっぱん焼き四文屋、上野のたきおか 、高田馬場の鳥やす、居酒屋ではないけど岐阜屋もよく行きますね。
京都に行ったら絶対にエラマサに行きます。仙台に行ったら丸昌に行きます。けどこだわりあるように語ってますけど1番行ってるのは一軒め酒場かもです(笑)とん足がとてもうまいんですよ(笑)
シュウ:次々出てきますね(笑)
今後も楽しみにしています。
ありがとうございました!